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■京化■京都大学理学部化学科・京都大学大学院理学研究科学専攻

平成28年度 修士課程教育 科目内容

化学物理概論

化学を学ぶ上で基礎となる物理的知識を、そのエッセンスを中心として端的に、またスタンダードな導出と異なるアプローチで説明し、非線形応答理論や散逸系の運動方程式等より進んだ概念を学ぶための基礎を学習する。本講義は、理学部専門科目「基礎化学物理」と共通講義とする。ただし、大学院生の履修者に対してはレポート等大学院生向けの別課題を課すことがあるので留意すること。

量子化学概論

分子軌道法を用いた分子の電子状態理論の基礎について講述する。分子の化学的性質を理論的に理解するためには、分子を構成する多電子の状態を明らかにする必要がある。本講義では、化学結合理論の一つである分子軌道法の基礎概念と方法を学び、電子間相互作用の平均場近似に基づくハートリーフォック法を理解することにより、量子化学的手法の基礎を修得する。

ケミカルバイオロジー概論

DNAの構造、塩基配列の決定法、化学合成法、化学反応性、損傷のもたらす生物へのインパクトについて分子レベルで議論し、最新のケミカルバイオロジーの方法論による遺伝子の機能制御について紹介する。

化学量子論

分子の電子状態と化学反応の基礎理論及び分子シミュレーションの基礎理論について講述する。具体的には(1)電子相関を考慮した電子状態理論、(2)分子間相互作用の電子状態理論、(3)分子力場とハイブリッド電子状態・分子力場法、及び(4)電子励起状態化学反応の量子理論、などを学ぶことにより、化学反応機構の基礎理論を修得することを目的とする。

化学統計論I

主として凝縮系における化学反応の量子統計力学的な取り扱いについて解説する。学部レベルまでの学習事項と原著論文との間のギャップを埋めるための基礎知識を習得することを目的とする。
身近な化学反応の多くは液相、固相、生体環境などの凝縮相で起こる。分子集合体の振舞いを記述するには、統計力学的な取り扱いが不可欠となる。気相中の単分子反応であっても、ある程度複雑な構造を持つ多原子分子であれば、統計性が重要となる。本講義では、化学反応の古典および量子統計力学的な取り扱いの基礎を概説する。

化学統計論II

凝縮相中のプロトン、電子、励起子等の量子動力学の基礎を多次元分光や多次元NMRなどの現代的な非線形応答の実験と結びつけながら議論する。方法論としては、散逸系の階層型量子マスター方程式や経路積分法などについて学ぶ。

分子分光学I

固体表面での原子・分子の運動を表面科学的手法によりどのように観察できるかを中心課題とする。また、最近の不均一触媒反応研究の動向にも触れ、表面反応、触媒反応の理解を深める。

分子分光学II

現代の化学においては、レーザーを用いた分光手法が不可欠である。本講義では、その基本となるレーザーの原理や、非線形光学分光法をその基礎から理解することを目的とする。

反応動力学I

化学反応における化学種の濃度変化の速度に着目して、現象論的に解析する分野を化学反応速度論と呼び、物理化学IIIで学習する。本講義では、この現象論で扱われる反応速度が分子の電子状態や核の運動とどのように関連づけられるかを議論する。このような分野を化学反応動力学と呼ぶ。化学反応には遷移状態という決定的な瞬間があると習った諸君もいるかと思うが、この決定的な瞬間がどのように反応に影響するのかを理解することが一つの目標になる。
化学反応の途上で起こる分子の電子状態や構造の変化といった現象は非常に高速で、これを実際に観測するためには最先端の超短パルスレーザーを用いる必要がある。そこで授業の後半部では、超短パルスレーザーの基礎(レーザーパルスの発生、パルス幅測定等)とその分光応用について平易に説明する。

反応動力学II

高強度でコヒーレンスの高いレーザーの発展により、分子の極限的な計測や検出が可能となり、分子構造や化学反応に関する理解が飛躍的に深まった。本講義では、多光子過程を化学反応ダイナミクスの研究に応用するための基礎として、光と分子の相互作用を学ぶ。

磁気分光学I

磁気共鳴分光学(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy:NMR)の基礎理論をテキストに従い講述する。

磁気分光学II

磁気共鳴分光学(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy:NMR)の基礎理論をテキストに従い講述する。

放射線生化学I・II

放射線や紫外線照射によって生じるタンパク質への影響と病態との関連を最先端の研究を例として議論する。

無機構造論I

無機化合物の結晶構造・電子構造についてマクロ・ミクロの観点から概説し、X線等による構造解析、NMRによる超微細相互作用について理解することを目的とする。

無機構造論II

ガラス・非晶質を中心として、無機固体の形成手法を紹介し、特に溶液からの無機固体形成と生成物の特性評価法について講述する。

無機物性論

無機物質について構造と物性の関連を論じる。金属や半導体から作製される超薄膜・多層膜・ナノ構造を主な対象として、磁性や伝導性などの物性制御について解説する。

無機固体化学I

遷移金属酸化物を中心とする機能性材料の結晶構造や電子状態をその有用な機能(=物性)と関連づけて紹介する。また、バルク材料や薄膜材料の結晶構造や物性の具体的な評価手法について解説する。

無機固体化学II

機能性無機材料の合成や構造と物性の相関ついて解説する。特に、量子効果を利用した新たな物性・機能を創出するためのナノスケール材料の設計・合成について解説する。

有機物性化学I

分子集合体の示す諸物性(電気伝導性、磁性、超伝導性)を分子の構造、電子状態の相関より論ずる。電子構造の特徴やその研究法についても講述する。

表面物性化学

固体表面の物理的・化学的性質を研究する手法、基本的概念等について学ぶことを目的とする。基本的教科書を選定し、輪読形式でその内容を議論し、理解を深める。

結晶構造化学

結晶構造は物質の性質を理解するうえで基本となる。本講義では、結晶構造の基礎として、対称性や空間群、逆格子などの概念について述べるとともに、結晶構造解析の基礎となる回折理論を述べた後、ナノ材料の構造解析に適した電子回折法について講述する。また、実空間での構造解析法として、透過電子顕微鏡の結像原理について学ぶ。さらに、原子配列構造だけでなく、結晶の局所領域における電子構造を探索する電子エネルギー損失分光法について解説することにより、ナノスケール物質の観察・分析に活用される、最先端の手法について理解を深めることを目的とする。

水圏化学

地球環境を特徴づける水圏を化学に基づいて探求・理解する。その基礎となる分析化学・分離化学についても併せて学ぶ。

化学固体電子論

化学的視点にたって固体電子論を概説し、特に金属の電子状態について自由電子論から超伝導に至るまで電子論の考え方を理解することを目的とする。

有機元素化学論

典型元素の化学について、その基礎的な解説から最新の研究成果まで有機元素化学および物理有機化学的な視点から講義する。主に高周期典型元素に焦点を絞り、低配位化合物から高配位化合物までその合成、構造、反応について、各典型元素の元素特性との関連を含めて紹介する。

集合有機化学論

有機分子の溶液中での様々な相互作用について講述し、化学平衡や化学反応に対する溶媒効果への理解を深める。溶媒効果、水素結合、πーπ相互作用、気相中の酸性や塩基性、電子移動などを取り上げる。

有機合成化学論

有機合成化学を中心に、有機金属化学、触媒化学及び天然物化学に関する基礎から応用までの幅広いトピックを提供する。本講義では、有機合成化学を取り巻く現状に対する理解を深めるとともに、最先端での研究に応用可能な実践的な知識と理論の習得を目的とする。

有機金属化学論

有機金属化合物,特に後周期遷移金属化合物,についてその合成法,構造,物性,触媒として有機合成への応用などについて解説する。

現代有機化学論

有機化学の中でも特に、反応有機化学、有機合成化学、有機金属化学、触媒化学及び構造有機化学に関する基礎から最新のトピックを紹介し、学部教育から最先端の研究への橋渡しをする。本講義により、現代の有機化学に対する理解を深め、最先端での研究に向けた活きた知識と理論の習得を目的とする。

生体分子機能論

核酸、タンパク質など生体分子の細胞内での機能発現やその作用の発現について、最先端の論文を例にとりながら、研究の背景と成果について議論し、分子レベルでの理解を深める。

生体分子構造論

タンパク質を中心とした生体高分子の立体構造の形成ならびに構築のしくみと、その生物学的機能の発現メカニズムと立体構造との関連を議論して、いくつかの最先端の研究例を紹介する。また、立体構造決定法としてのX線結晶解析についても解説し、構造決定の意義についての理解を深める。

生体分子動態論

細胞内でのタンパク質の動態に関わる諸過程について、重要文献を読み、知識を深める。

分光解析化学

界面での分光計測の考え方を,赤外およびラマン分光法を題材に述べ,分光解析による凝縮系化学の考え方を理解する。また,得られたスペクトルを多変量解析・電磁気学・解析信号の考え方に基づいて解析する手法を,基礎理論からコンピューターを用いた実際の解析法まで解説する。

© Kyoto University 2008