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■京化■京都大学理学部化学科・京都大学大学院理学研究科学専攻

集合有機分子機能分科

教授 大須賀 篤弘 准教授 齊藤 尚平 助教 田中 隆行

全く新しい芳香族化合物の世界

当研究室ではこれまでにない全く新しい“芳香族”化合物を、最新の有機化学的手法を駆使して合成している。ポルフィリンと呼ばれる芳香族化合物をベースに、これまでの常識を覆すような“超”多量体や、異常とまで言える領域に吸収特性をもつ縮環多量体などはその一例である。また、5つ以上のピロールをsp2炭素で結合し、環状につないだ化合物である“環拡張ポルフィリン”の研究では、これら色鮮やかな化合物の性質を、世界に先駆けて明らかにしている。こういった従来にはない構造をもつ芳香族化合物の基本物性や反応性などを探索しながら、新規機能性分子としての設計・組織化を計り、その未知の世界を開拓している。さらに、天然の光合成系複合体に含まれるアンテナ構造のモデル化合物を合成し、その励起ダイナミックスを超高速時間分解分光法によって徹底的に追跡している。

また、芳香族性の解明は有機化学において非常に重要な研究テーマである。18π電子系の芳香族化合物であるポルフィリンを共有結合や超分子的な相互作用でつなぎ合わせて、電子配置の変換によって出現する新規物性を探索している。22π電子以上の共役系を持つ環拡張ポルフィリンは、ポルフィリンとは大きく異なる性質を示す。その特異な酸化還元挙動によって初めて発現する「芳香族性」「反芳香族性」「ビラジカル性」や反応性を詳細に検討している。

さらにごく最近、第3の芳香族性である「メビウス芳香族性」をもつ環状共役系分子の世界を開拓し、有機化学の歴史に新たな1ページを刻んだ。これ以外にも、14π電子系ポルフィリノイドなど全く新しい芳香族化合物を創製し、その化合物の意義を明らかにする研究を行っている。

(最終更新日;2016年03月02日)

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