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■京化■京都大学理学部化学科・京都大学大学院理学研究科学専攻

理論化学分科

教授 林 重彦 助教 山本 武志

理論化学研究室では、化学反応を理論的に研究しています。そもそも、化学って試験管を振ったり熱したりして実験をする学問だと思っていらっしゃる方が多いと思います。それはまあ実際そうなのですが、ちょっと考えてみると、化学現象を担う分子は物理の法則に従っているわけで、さらに物理の法則は理論的に研究できる体系があるわけで、化学を理論的に研究することは可能なのです。

そんなわけで、われわれは化学反応を理論的に研究しています(実験はしていません)。化学反応は、物理的に言うと、分子を形成する電子の状態が変化する現象です。電子は非常に軽いので、その振る舞いを記述するためには量子力学に基づく必要があります。また、分子はとりもなおさず物体ですので、その運動は力学法則に従います。さらに、化学反応は溶液内や生体内で多く起きますが、そのときには非常に多くの原子・分子が関わってきます。その多くの原子・分子が関わる現象を理解するためには、統計熱力学に基づいた考察が必要となります。これらの物理学の体系やその化学への応用(物理化学)は、高校では余りなじみのない新しいものも多いので、これから学ぶのを楽しみにしておいて下さい。

化学反応は、非常に多様で様々な場所に現れます。例えば、わたしたちが酸素を吸って食べ物を食べて歩いたり考えたりする活動も、体内で起こる多種の様々な化学反応の連鎖によって成り立っています。そのような多様な化学反応現象を研究するために、コンピュータの力を借りて、上述の物理法則に基づいた分子シミュレーションを行っています。下にいくつかの研究例を挙げています。基本的な有機機合成化学反応から生体酵素反応まで様々な化学反応の研究を行っています。

ユビキノン分子とフェノール分子の間のプロトン-電子移動共役反応。極性溶媒分子が与える静電場を色で表している。
シミュレーションで用いるコンピュータ。マルチコアCPUのコンピュータ間を高速ネットワークでデータ通信している。
ミトコンドリアのATP合成酵素でATP分子が合成されるところ。

基本的な有機合成反応であるGrignard反応の反応性の解析。
水中の水分子の水素結合構造の分布。

(最終更新日;2013年07月01日)

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