go to English now in Japanese
■京化■京都大学理学部化学科・京都大学大学院理学研究科学専攻

表面化学分科

教授 有賀 哲也 准教授 奥山 弘 助教 八田 振一郎

分子を1個ずつ見て、触って、変換する

皆さんは、すべての物質が1nm以下の原子や分子からできていることを教科書で学んできたと思います。でもそれは本当でしょうか?1nmのような小さな物は目で見ることはもちろんできませんし、普段の生活で原子や分子の存在を意識することはないでしょう。そのような目に見えないものを対象とする化学の内容は、雲をつかむような、あたかも別世界の話のように感じたのではないでしょうか。ところが現代化学では特殊な顕微鏡を用いることによって、原子や分子を1個ずつ可視化できるようになったのです。下の図1は水分子(H2O)をテンプレート上に乗せて撮った写真(左)です。小さい丸と少し大きな三角が見えています。前者は1個の水分子、後者は水分子が3つ集合した「氷」です。分子レベルで見ても確かに水は氷になるのです。分子を見ることだけに留まりません。好きな分子に触れることもできます。右の写真は中央の氷に触れた後に撮ったもので、氷が3個の水分子に砕かれているのがわかります。それでは水分子はもう砕けないでしょうか?いいえ砕けます。なぜなら水分子は水素原子と酸素原子からできています。図2は1個の水分子(左)に触れることによって、OH(右)に変換した様子を捉えた写真です。引き抜かれた水素原子は軽いためにどこか遠くに行ってしまったようです。「百聞は一見にしかず」といいますが、個々の分子を実際に目の当たりにすることで、これまでの理解が深まるだけでなく、想像できなかった新たな発見が得られます。このような分子の世界を一緒に探索してみませんか?

© Kyoto University 2008