更新:2007.3.13 |
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無機化学IIB | 担当 有賀哲也 |
講義内容 | |
遷移元素を含む化合物は、狭義の無機化学の枠をはるかに超え、固体物理学・ 有機金属化学・生物無機化学など幅広い物質科学分野において、重要な研究対象と なっている。本講義の目的は、幅広い物質科学の基礎として、遷移元素化合物の 性質に関する基本的な知識・センスを修得することにある。そのために、 典型元素化合物との相違および遷移系列内での周期性に着目しつつ、 開殻d軌道やf軌道に由来した化学結合の特徴、化合物の安定性と反応性、構造、磁性、 熱物性などについて述べる。さらに、分子軌道の概念を拡張することにより、 固体化合物の電気伝導性などのマクロな性質が理解できることを示す。 | |
講義予定 | |
第1回 1. 遷移元素の一般的性質 1.1. 共通する性質 1.2. 周期的傾向 1.3. 酸化状態による比較 1.4. 電子配置による比較 第2~4回 2. 遷移元素の酸化状態と化合物の安定性 2.1. 酸化還元の熱力学 2.2. 水溶液中での化合物の安定性 2.3. 遷移元素化合物の酸化状態と安定性 第5~8回 3. 電子状態から見た遷移元素化合物の性質 3.1. 静電場モデルによる遷移元素化合物の電子状態 3.2. d軌道分裂が関与したさまざまな性質 3.3. 遷移金属原子と配位子の化学結合 3.4. 遷移元素化合物の構造、物性、反応性 第9~11回 4. 有機金属化合物 4.1. 金属と有機原子団の化学結合 4.2. オレフィン錯体 4.3. メタロセン 4.4. 金属カルボニル 4.5. 18電子則 第12,13回 5. 遷移元素化合物固体 5.1. 固体(=巨大分子)における化学結合 5.2. 分子軌道から電気伝導性へ |
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成績評価の方法 | |
期末試験、レポート | |
教科書 | |
特定のものは指定しないが、 標準的な無機化学の教科書を必ず所持すること。 | |
参考書 | |
必ず、
ヒューイ「無機化学」東京化学同人等の標準的な教科書を持って、該当範囲を参照すること。 |
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